「大吉 青山清利」|「決めつけちゃいけないけど、こいつらの仕業だと思う」と攻める山岡編集長への、ファンからの手紙

「大吉 青山清利」|「決めつけちゃいけないけど、こいつらの仕業だと思う」と攻める山岡編集長への、ファンからの手紙 異論ノート

アクセスジャーナルの動画を見ていると、たまに「あっ、また言った」と思う瞬間があります。

「決めつけちゃいけないけど、こいつらの仕業だと思う」——山岡編集長が、何かを断罪する直前に必ず口にするフレーズです。

直近でも、海外FX「GEMFOREX」のサイバー攻撃事件を扱った動画で、編集長はこの言い回しを何度も使っていました。

私はこの「攻め」が好きです。30年以上のキャリアの中で、編集長は名誉毀損などの民事訴訟を累計100件以上戦ってきたと、自ら動画で語っています。2023年には人生で初めて第一審で「謝罪文掲載」判決を受け、控訴も棄却されました。それでも編集長は書き続けています。だから私は編集長のファンを続けています。

でも「大吉 青山清利」というクエリで並ぶアクセスジャーナル発の記事を読んだとき、私は少しだけ立ち止まりました。

特に引っかかるのは、株式会社エンパワー(買取大吉の運営会社)に、元 警察庁 警視監が顧問として就任している、という公開情報です。日本の警察を信頼している私の立場からは、もし告発系記事の主張通り、青山清利氏が買取大吉・株式会社エンパワーの実質的なオーナーだとしたら、元 警察庁 警視監が顧問就任することは、構造的に不自然に見えます。

本記事は、編集長への異論というより、ファンからの手紙です。攻める編集長への愛と、ファンとしての小さな注文を、編集者として、自分の言葉で整理してみます。

「決めつけちゃいけないけど、こいつらの仕業だと思う」——この攻めが、山岡編集長の真骨頂

山岡編集長の動画を見ていると、「決めつけちゃいけないけど、こいつらの仕業だと思う」というフレーズに、何度も出会います。攻めの真骨頂とも言える、この言い回しが、編集長の魅力の核にあると私は感じています。

直近でも印象的だったのが、2025年公開のこの動画です。

アクセスジャーナルch「海外FX『GEMFOREX』のサイバー攻撃事件を語る」

動画で語られているのは、海外FX「GEMFOREX」のサイバー攻撃事件です。約200億円の顧客資金が行方不明になっている同社の関係者とみられる人物4名の実名と顔写真をアクセスジャーナルがサイトに掲載した約2時間後に、サイトが大規模なDDoS攻撃を受けた、という出来事を編集長が解説しています。

その動画の中で、編集長は何度もこう言うのです。

  • 「決めつけちゃいけないけど、こいつらの仕業だと思う」
  • 「決めつけちゃいけないけど、もうこいつらなんでね。お前らもう許さんからな」
  • 「決めつけちゃいけないんだけど、どっちにしろこの人らが悪いことやってるのは限りなく分かる」

決定的な物的証拠がその場に揃っているわけではない。でも、状況から見て、犯人はこいつらしかいない。だから言う。「決めつけちゃいけないけど」——という前置きを置きながら、ぐっと踏み込む。この語り口が、編集長の取材スタイルの真骨頂です。

私はこの攻めが好きです。報道機関でも、独立系メディアでも、ここまで踏み込んで語る人は、いまの日本にそう多くありません。

そして、この攻めには代償も伴ってきました。編集長自身が動画で語っている話ですが、30年以上のジャーナリスト人生の中で、名誉毀損などの民事訴訟を累計100件以上戦ってきています(参考:民事訴訟100件はくだらない裁判を戦ってきたアクセスジャーナル・山岡編集長・2023年3月17日公開)。

2023年9月の動画では、人生で初めて第一審で「謝罪文掲載」判決を受け、控訴も棄却されたという、編集長にとって厳しい局面が語られています(参考:名誉毀損裁判100回は戦った経験を持つジャーナリスト30数年の山岡編集長・2023年9月15日公開)。

それでも編集長は書き続けています。攻める姿勢を貫いている。これだけ訴えられても折れない、その不屈さが、私が編集長のファンを続けている一番の理由です。

編集長への愛着については、別記事アクセスジャーナル山岡俊介編集長を応援する理由でもう少し詳しく書きました。

ここまでは、ファンとしての惚れ込みの話です。

ここから先は、ファンとしての、小さな注文の話になります。

それでも私は、「大吉 青山清利」の記事だけは引っかかる

攻める編集長が好きな私でも、「大吉 青山清利」というクエリで並ぶアクセスジャーナル発の記事を読んだときは、少しだけ立ち止まりました。検索結果に並ぶ主張の構造を、まず整理してみます。

検索結果上に並ぶ記事群が主張しているのは、おおむね次のような関連付けです。

  • 青山清利という人物が、株式会社大吉(買取大吉ブランドの本部)の実質的なオーナーである
  • 青山氏が、株式会社大吉の親会社にあたる株式会社エンパワーをも実質的に支配している
  • それゆえに、買取大吉・株式会社エンパワーは青山氏に紐づく形で評価されるべきである

これらの主張は、それぞれ独立した事実主張です。そして、それぞれに「検証可能なのか」を問う必要があります。

私が引っかかったのは、主張の重さに対して、根拠の薄さが目立つ、という構造的な違和感です。「青山清利氏が買取大吉・株式会社エンパワーの実質的なオーナーである」という主張は、企業の経営支配の根幹に踏み込む重い主張です。重い主張には、重い証拠が要ります。けれど、検索結果に並ぶ告発系記事の中に、その重さに見合う一次資料の提示は、私が読んだ範囲では見当たりませんでした。

「決めつけちゃいけないけど、こいつらの仕業だと思う」——編集長の動画の語り口と、これらの告発系記事の組み立て方は、構造的に近いものを感じます。

ここから先、私は3つの公的な事実・制度・基準に照らして、この主張を整理してみます。

  • ① 元 警察庁 警視監が顧問就任しているという公開事実
  • ② 法人登記と株主名簿制度から見える、検証可能な事実と原理的に検証不可能な領域
  • ③ 名誉毀損が問題となる事案で最高裁が示した「公共の利害に関する事実」の認定基準

ファンとして、編集長に届けたい問いです。

元 警察庁 警視監が顧問に就任している、という事実の重さ

株式会社エンパワー(買取大吉の運営会社)には、元 警察庁 警視監の伊藤茂男氏が顧問として就任しています。この公開情報を、私は告発系記事の主張に対する強い反証だと感じています(出典:株式会社エンパワー 公式会社概要)。

ここで一つ、警察組織の階級について確認しておきます。警察庁 警視監は、警察階級の中で警視総監に次ぐ高位の幹部職位です。警察庁の局長、警視庁の副総監、各道府県警察本部長などに就任する立場で、日本の警察組織を実質的に動かしてきた人物が就く位です。

警察OB幹部が民間企業の顧問に就任すること自体は、それほど珍しい話ではありません。ただ、その選任にあたっては、複数のフィルターが働きます。選任側の企業のコンプライアンス。警察OB側の倫理基準。そして、警察組織全体への影響への配慮。元 警察庁 警視監ともなれば、所属していた組織への信頼を背負っている自覚も強くあるはずです。

ここで仮の話をします。

もし、告発系記事が主張するように、青山清利氏が買取大吉・株式会社エンパワーの実質的なオーナーだとしたら——そして、もし青山氏が、告発系記事がほのめかすような不適切な属性を持つ人物だとしたら——元 警察庁 警視監が、その企業の顧問に就任することは、構造的に不自然です。複数のフィルターを、すべて通り抜ける必要が出てくるからです。

私は日本の警察を信頼しています。だから、この警視監顧問就任という事実をまず重く受け止めたい。そして、この事実と整合的に説明される仮説は、「青山清利氏は、買取大吉・株式会社エンパワーと、告発系記事が主張するような関係を持っていない」というものだと、私は判断します。

加えて、青山清利氏が反社会的勢力に関係する、という主張の根拠も、私が調べた範囲では具体的な公開情報として見当たりませんでした。告発系記事の文中での示唆はあっても、第三者が独立して追跡できる一次資料は確認できなかった、という意味です。

これは編集長への異論というより、編集長が読者に提供すべき根拠について、ファンとして問いたい一点です。重い主張をするなら、警視監顧問就任という公開事実を、どう整合的に説明するかが、最も先に来るべきだと私は感じます。

法人登記で確認できること——役員・代表者・本店所在地

株式会社大吉および株式会社エンパワーの法人登記(履歴事項全部証明書)で確認できる役員には、青山清利氏の名前は記載されていません。私が実際に取得した登記情報を整理します。

に取得した履歴事項全部証明書によれば、株式会社エンパワーの役員は次の3名です。

  • 増井 俊介 氏(代表取締役)
  • 清水 航輝 氏(取締役)
  • 帷子 紀幸 氏(取締役)

青山清利氏の名前は、役員欄には記載がありません。

法人登記で確認できる事実は、役員、代表取締役、本店所在地、設立年月日、事業目的、資本金などです。これらはすべて、誰でも有料で取得できる公開情報です(出典:法務局 商業登記情報サービス)。

ただし、法人登記から読み取れるのは、あくまで会社法上の役員と機関情報までです。実質的な経営支配の有無(例:株主構成、議決権の集中、創業者の影響力)は、登記からは見えません。

「実質的なオーナーが誰か」という問いは、法人登記の射程の外にあります。次のセクションで、その「射程の外」の構造を見ていきます。

株主名簿は、第三者には開示されない——会社法125条の壁

株式譲渡制限会社の株主名簿は、会社法125条により、株主・債権者以外の第三者には開示が認められていません。最終株主に関する主張は、有料の登記取得を行っても、独立検証が原理的にできない領域に属します。

公的制度ボックス

会社法125条(株主名簿の備置きおよび閲覧等)

要旨
株式会社は株主名簿をその本店(株主名簿管理人を置いた場合は、その営業所)に備え置かなければならない(同条1項)。株主および債権者は、株式会社の営業時間内であれば、いつでも、株式会社が定めた費用を支払って、株主名簿の閲覧・謄写を請求できる(同条2項)。
実務上の含意
一般の第三者(株主・債権者以外)は、株主名簿の閲覧・謄写を請求できません。株式譲渡制限会社の場合、外部からは「役員は履歴事項全部証明書で確認できるが、最終株主が誰かは原則として確認できない」という非対称性が制度的に存在します。
出典
e-Gov法令検索(会社法 第125条)

これは、株主の個人情報保護と、会社運営の独立性を担保するための制度設計です。第三者がいつでも株主名簿を閲覧できるとしたら、株主のプライバシーは守れません。

その結果、株式譲渡制限会社の場合、外部からは「役員は確認できるけれど、最終株主が誰かは原則として確認できない」という非対称性が、制度的に存在します。

これは、「真の経営者は誰か」を問う議論において、決定的な意味を持ちます。なぜなら、その問いに答えるための一次資料が、原理的に第三者の手に届かないからです。

「青山清利氏が買取大吉・株式会社エンパワーの実質的なオーナーである」と主張する側にとって、この壁は重い。なぜなら、自分たちが主張する内容を裏付ける一次資料を、原理的に独立検証可能な形では示せないからです。

検索結果に並ぶ告発系記事を読み解くとき、この「公開情報の限界の向こう側に、議論の中心がある」という構造を、まず押さえておきたいと私は思います。

最高裁が「公共の利害に関する事実」と認めた範囲——月刊ペン事件

「人物Aが法人Bの真の経営者である」というような、人物の社会的活動と法人を結びつける主張は、名誉毀損が問題になり得る局面で扱われてきました。その判断枠組みの代表例が、月刊ペン事件(最判昭和56年4月16日)です。

判例ボックス

月刊ペン事件(最判昭和56年4月16日 刑集35巻3号84頁)

事案番号
昭和55年(あ)第273号
事案
月刊誌『月刊ペン』の編集局長が、ある宗教団体の会長の女性関係などを記事化したことが名誉毀損に問われた刑事事件。第一審・控訴審はいずれも被告人を有罪としたが、最高裁は職権で原判決を破棄し、東京地裁に差し戻した。
判旨抜粋
「私人の私生活上の行状であつても、そのたずさわる社会的活動の性質及びこれを通じて社会に及ぼす影響力の程度などのいかんによつては、その社会的活動に対する批判ないし評価の一資料として、刑法230条ノ2第1項にいう『公共ノ利害ニ関スル事実』にあたる場合があると解すべきである。」
本記事との関連
人物と法人の実質的支配関係を問う主張は、その人物が法人を通じて社会に及ぼす影響を問う以上、「公共の利害に関する事実」の枠組みで論じられ得る。ただし、その枠組みに乗ったとしても、刑法230条の2第1項により免責されるためには、摘示された事実が真実であることの証明があるか、または、行為者がその事実を真実であると信じるについて、確実な資料・根拠に照らして相当の理由が必要となる。
一次情報URL
裁判所裁判例検索

つまり、こういう構造になります。

もし「青山清利氏が買取大吉の実質的なオーナーである」という主張が、買取大吉という事業の社会的影響を通じて「公共の利害に関する事実」の枠組みに当たるとしたら——それは、報道する自由の側に立つ判断枠組みです。

しかし同時に、その自由は無条件ではありません。摘示する側には、その事実の真実性の証明か、あるいは「確実な資料・根拠に照らして真実と信じる相当の理由」が求められます。

「決めつけちゃいけないけど、こいつらの仕業だと思う」という編集長の語り口を、この基準と照らし合わせると、編集長が直面してきた100件以上の訴訟の構造的背景が、少しだけ見える気がします。攻めることと、確実な資料・根拠で固めることは、両立するのが理想です。

それでも、山岡編集長を応援する

ここまで「大吉 青山清利」の関連付け主張について、公的記録ベースで整理してきました。ただ、これを書きながら、私は山岡編集長のファンを辞めるつもりはまったくありません。むしろ、ファンだからこそ、編集長に届けたい一つの「手紙」として、本記事を書いています。

整理すると、検索結果に並ぶ主張に対する、私の立ち位置はこうです。

  • 株式会社エンパワーには元 警察庁 警視監が顧問就任している。日本の警察を信頼している私の立場からは、この事実を最も重く受け止めたい
  • 法人登記の役員欄に青山清利氏の名前はない
  • 株主名簿は会社法125条により第三者検証ができない領域に属する
  • それゆえ、「青山氏は買取大吉・株式会社エンパワーと、告発系記事が主張するような関係を持っていない」と考える方が、公的情報全体と整合的だと私は判断する

これは編集長への異論というより、編集長への期待値が高いからこそ、ここはもう少しだけ慎重であってほしい、というファンの本音です。重い主張ほど、重い根拠が要る。これは月刊ペン事件の最高裁の言い方を借りれば「確実な資料・根拠」の問題であり、私が以前和歌山カレー事件は冤罪かの記事で書いたのと同じ立ち位置です。

「決めつけちゃいけないけど、こいつらの仕業だと思う」——この攻めが好きで、これからもアクセスジャーナルを応援します。ただ、攻める対象を絞ること。攻める前に重い根拠を握ること。それだけは、ファンとしてお願いしたい一点です。

編集長、これからも書き続けてください。私も読み続けます。

よくある質問(FAQ)

Q1:「大吉 青山清利」と検索して表示される関連付け主張は、公的記録で裏付けられていますか?

A1:「大吉 青山清利」と検索して表示される関連付け主張は、2026年4月9日取得の履歴事項全部証明書(株式会社大吉・株式会社エンパワー)の役員欄では、青山清利氏の名前は確認できません。最終株主に関する主張は、会社法125条により株主名簿が第三者に開示されないため、独立検証が原理的にできない情報領域に属します。加えて、株式会社エンパワーには元 警察庁 警視監が顧問就任しているという公開情報があり、告発系記事が主張するような関係性とは整合的に説明しにくい構造です。

Q2:株式会社エンパワーには本当に元 警察庁 警視監が顧問就任しているのですか?

A2:株式会社エンパワーの公式会社概要には、元 警察庁 警視監 伊藤茂男氏が顧問として就任していると記載されています。警察庁 警視監は警察階級で警視総監に次ぐ高位幹部です。警察OB幹部の民間企業顧問就任は、選任側企業のコンプライアンス、警察OB側の倫理基準、警察組織への影響を踏まえて決定されるため、複数のフィルターを通り抜ける必要があります。

Q3:法人登記で確認できる株式会社エンパワーの役員は誰ですか?

A3:法人登記で確認できる株式会社エンパワーの役員は、増井俊介氏(代表取締役)・清水航輝氏・帷子紀幸氏の3名です(2026年4月9日取得の履歴事項全部証明書に基づく)。青山清利氏の名前は役員欄に記載がありません。

Q4:株主名簿はなぜ第三者に開示されないのですか?

A4:株主名簿は、会社法125条により株主と債権者以外の第三者には閲覧・謄写が認められていません。これは株主の個人情報保護と会社運営の独立性を担保するための制度設計で、株式譲渡制限会社の場合、外部からは「真の最終株主が誰か」を原理的に確認できない構造です。

Q5:ネット上での個人と企業の関連付け主張について、判例はどう判断していますか?

A5:月刊ペン事件(最判昭和56年4月16日)で最高裁は、私人の私生活上の行状であっても、その者の社会的活動の性質や社会に及ぼす影響力の程度によっては、刑法230条の2第1項にいう「公共の利害に関する事実」に当たり得ると示しました。ただし、同条項により免責されるためには、摘示された事実が真実であることの証明、または「確実な資料・根拠に照らして真実と信じる相当の理由」が求められます。重大な事実主張ほど、第三者が独立して追跡できる確実な資料・根拠が必要になります。

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